みんなが知ってるハンドウイルカ

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ハンドウイルカ (半道海豚:バンドウイルカとも言う)は水族館などに必ずいると言っても良いくらい、私たちの前に姿を見せてくれてますし、映画などで出てくるのはたいていハンドウイルカです。

handou_Bottlenose_Dolphine ハンドウイルカ

目/科 クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科ハンドウイルカ属
別名 バンドウイルカ
体長 2mから4m
体重 150kg~650kg
寿命 雌40年、雄30年以内
生息域 北極圏、南極圏を除く世界中の海
特徴
  • 最もよく知られたイルカ
  • ハンドウイルカはほぼ全身灰色。背びれの先端の辺りの濃い灰色から、お腹にかけての明るい灰色にまで変化していてお腹はほぼ白
  • 尾びれを上下に動かして泳ぐ(通称ドルフィンキック)。両脇についている一対の胸びれは方向を制御するのに用いる 。時速45kmくらいの泳ぎの達人
  • 人懐こく好奇心が旺盛な性格
  • 視力はとても良いですが、嗅覚は非常に劣ってる


こぼれ話

(1)泳ぎの達人


尾びれと背びれは高密度の結合組織で出来ていて、骨も筋肉もないのです。尾びれを上下に動かして泳ぐ、いわゆるドルフィンキックと言うやつです。

両脇についている一対の胸びれは方向を制御するのに用いられます。胸びれには骨があるのですが、これは陸上で生息する哺乳類の前肢と同じで、ハンドウイルカを含むクジラ目の動物たちは、約5千万年前、陸上で生息する哺乳類から進化したと考えられているのです。

ハンドウイルカは「泳ぎの達人」と言われていて、その遊泳力はすごく、通常は5km/hから11km/h 程度の速度で泳ぎますが、短時間ならば45km/h程度の速度で泳ぐこともできます。また65km/hで航行する高速船と競ってさらに速く泳いだという目撃情報もあることから、瞬間的には70km/h近い猛スピードを出す個体もいると考えられます。

時速では82km/hをマークするシャチには適いませんが、制動力やジャンプ力等は身体が小さい代わりに体重も軽く慣性も小さいバンドウイルカの方が優れています。

 

(2)呼吸と睡眠

呼吸は、水面から頭部を露出して、頭頂にある噴気孔で行います。 通常は1分間当たり数回程度の呼吸を行いますが、5分から8分程度の連続潜水を行うことも可能です。

ハンドウイルカの睡眠は非常に浅く、睡眠中は脳の半分は眠って残り半分は覚醒し、それを交互に切り替えながら泳ぎ続けるという説が有力です。

 

(3)集団生活

通常はポッド (pods) と呼ばれる最大12頭程度から成る群を単位として行動します。このポッドは社会的な基本構成単位で、長期間継続的に持続されます。

母親イルカたちとその子供たちで構成されているというのが典型的なポッドで、雄は通常は単独、あるいは2~3頭で行動しますが、短期間だけポッドに加わることもあります。ポッドはほとんど母子集団ですね。たまには複数のポッドが集まって、100頭以上の多数の群を成すこともあります。

 

(4)ハンドウイルカの性格

ハンドウイルカは人懐こく好奇心が旺盛な性格であることが良く知られています。潜水しているダイバーのまわりにハンドウイルカが集まってくることは珍しくはありません。

傷ついた仲間を助けようとする行動は知られていますが、傷ついたダイバー(人間)を助けようとして水面へ持ち上げようとすることもあるのです。

 2004年11月、ニュージーランドの ワンガレイ (Whangarei) 近くの沖合い100mの地点において、3mのホホジロザメが3名のライフガードに接近。 ライフガード達に対する危険を察知したハンドウイルカが集まり、40分間、サメの攻撃から護るかのように彼らを取り囲み、ライフガードたちは無事に海岸に戻ることができたと言う劇的な出来事がありました。

しかし、ハンドウイルカも捕食者であり、非常に攻撃的な面もあります。 雄はランク付けや雌をめぐって闘うこともあり、繁殖期には頭突き (Head Butting) などの行動により、強さと大きさを誇示して雄同士が非常に激しく争います。

 また危害を加えようとしてくるサメと戦闘することも知られており、大型で獰猛なホホジロザメを単独で攻撃し殺害してしまったいう記録も多く、笑ったような顔で人懐こいこのイルカも獰猛かつ好戦的な態度も併せ持つことも事実なのです。 しかし、むやみに人間を攻撃したりすることはありません。

ハンドウイルカの雌の寿命は40年程度で、 雄は雌に比べるとストレスも多く、雌よりも短命であり、30年以上生きることは稀です。

 

(5)ハンドウイルカの食事(捕食)

ハンドウイルカの主食は小さい魚類ですが、イカなどの頭足類や、カニなどの甲殻類も食べます。 歯は鋭く尖っており、餌となる生物を捕獲するには適していますが、噛み砕くには適してませんので、ほとんど飲み込んでいます。

 餌となる魚類の群に出会った場合には、ハンドウイルカは団体で行動して、捕食活動を行います。 単体の場合には、海底近くの生物を捕食することも多く、また 尾びれで魚を殴打して気絶させた後でその魚を食べることもあります。

ハンドウイルカは餌を探すために噴気孔を使ってクリック音を出し反響定位(エコーロケーション)を行います。 潜水艦のソナーや魚群探知機などと同様に音波を発生し、その反射音により物体の位置や距離の測定を行います。

 

(6)コミュニケーション

目は頭部横の両側に位置していて 視力はとても良いです。 眼球内部には光輝壁紙(タペタム、Tapetum lucidum)と呼ばれる組織があり、暗い場所に適応した構造をもっていますが、対照的に嗅覚は非常に劣っています。

ハンドウイルカ同士は身体表現と音声によって互いにコミュニケーションを行っていると考えられています。 声帯は持ちませんが、噴気孔近くにある6個の気嚢(きのう)を使って、様々な音声を出しています。

個々のハンドウイルカには、自分自身を表現する「名前」(音)があり、他の個体に対して自分自身を表現することが可能らしいのです。約30種類程度の識別可能な音を使って音声によるコミュニケーションを行っているようで、「イルカ言葉」と言うのがあるらしいです。

 

(7)求愛から子育てまで

雄が行う求愛行動は複雑で、雌に寄り添ってポーズをとり、叩いたり、さすったり、口吻をこすりつけたり、噛んだり、顎をパクパクさせたり、叫んだりします。 長い前戯の後で交尾をしますが、1回の交尾は10秒から30秒程度で終り、数分の間隔をおいて多数回繰り返して行います。

妊娠期間は12ヶ月で、 出産は浅瀬で行い、時には「助産婦」が補助することもあります(雄が行う場合もある)。 通常は一子を産し、出産は尾側から行うのが普通で、 産まれた直後の子供の体長は1m程度です。

哺乳類ですから、人間などと同じで、母乳で子育てを行います。 腹側の左右中央にあるスリット(生殖孔)の左右には各1本ずつのスリットがあり、各スリット内には乳首が1つずつ、合計2個の乳首が収納されています。授乳期間は12ヶ月から18ヶ月です。

仔イルカは最長6年間、母イルカと密接に一緒に過ごします。 父イルカは子育てにはあまり興味を示しません。性成熟は 雌は5歳から12歳程度でしますが、雄は若干遅く10から12歳で性成熟します。

 

(8)捕食者(ハンドウイルカを食べる者)

野生のハンドウイルカの捕食者は、イタチザメ、ドタブカ、オオメジロザメなどの大型のサメであるとされていますが、子イルカが捕食されてしまう例を除いて成体ではほとんど命を落とすようなことはありません。

獰猛なホホジロザメでさえイルカの攻撃により深手を負わされ、ともすればサメといえども殺されてしまうことも多数あります。イルカは全身が筋肉の塊であり、質量が大きく猛スピードで泳ぐことから、自動車事故並の衝突力を与えることもできます。

また尖った口吻も凶器となるため、大型のサメもよほどのことがない限りは群れの成体には手出ししないようです。


(9)ハンドウイルカが見られる主な水族館

    * 伊豆・三津シーパラダイス(静岡県沼津市) - 1930年日本で最初にハンドウイルカの展示飼育を行った。
    * 下田海中水族館(静岡県下田市)
    * 横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)
    * 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)
    * 名古屋港水族館 (名古屋市港区)    * 市立しものせき水族館 海響館 (山口県下関市)
    * マリンワールド海の中道 (福岡県福岡市)
    * 大分マリーンパレス水族館「うみたまご」(大分県大分市)
    *ドルフィンセンター(香川県さぬき市)

    他多数

 

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